東京から大阪に引っ越すと生活費はいくら変わる?公的統計で試算【2026年】

東京の高層ビル街から川沿いの街へ引っ越すイメージ

※数値は2026年9月28日時点で取得した総務省の公的統計にもとづく試算です。

転勤の内示が出た、家族で大阪へ移ることを考えている。そんなとき気になるのは、東京から大阪に引っ越すと、毎月の生活費がいくら変わるのかです。

ところが調べてみると、上位に出てくるのは引っ越し業者の運送費の相場がほとんどです。生活費の比較記事も、数年前のデータだったり、「月5万円くらい安い」と出典のない数字だったりして、判断の材料にしにくいのが実情です。

この記事では、総務省の小売物価統計調査(2026年8月の民営家賃)と消費者物価地域差指数(2025年)を使って、東京23区と大阪市の生活費の差を試算します。単身の転勤でも家族での移住でも使えるよう、間取り別の早見表も用意しました。

東京から大阪へ引っ越すと生活費は月いくら下がる?結論は40㎡で約4.9万円

1LDK相当(40㎡)の部屋に住み、家賃以外の生活費が月15万円の人が東京23区から大阪市へ移る場合、試算では月48,683円、年584,196円生活費が下がります。

内訳は、家賃の差が月44,739円、家賃以外の差が月3,944円です。つまり差のおよそ92%は家賃で、食費や日用品などの物価の差はわずかです。

東京と大阪の生活費の差は9割が家賃(家賃・物価の比較表)

まず、元になる統計を並べます。家賃は「3.3㎡(1坪)あたりの月額」で、広さを掛けて部屋ごとの家賃を試算しています。

項目 東京23区 大阪市 差(大阪−東京)
民営家賃(3.3㎡あたり・月、2026年8月) 10,048円 6,357円 −3,691円
民営家賃の前年同月比 +291円(+3.0%) +108円(+1.7%) ―
消費者物価地域差指数(家賃を除く総合、2025年) 102.7 100.0 −2.7
消費者物価地域差指数(食料、2025年) 103.6 100.4 −3.2

大阪市の民営家賃は東京23区の約63%です。一方、家賃を除いた物価は全国平均を100とした指数で東京23区102.7、大阪市100.0で、大阪市は東京23区の約97%にとどまります。

また、この1年の家賃の上がり方も違います。東京23区は前年同月より3.0%上がったのに対し、大阪市は1.7%でした。東京の家賃は上昇が続いており、差は縮まっていません。

注意したいのは、この民営家賃は統計調査の対象になった民営借家の家賃で、築年数や駅からの距離がさまざまな物件の値だという点です。これから借りる新築・駅近の物件の募集家賃とは違うことがあるので、相場の比率をつかむための目安として使ってください。

家賃と買い物の重さを比べる天秤
東京23区と大阪市の生活費の差は、9割前後が家賃

間取り別の早見表:単身の転勤と家族での移住で差はいくら?

単身の転勤なら1K、夫婦や子どものいる家族なら2LDKというように、広さによって差は大きく変わります。家賃以外の生活費も世帯の人数で違うため、組み合わせを変えて試算しました。

想定 広さ 家賃以外の生活費(東京での月額) 家賃の差(月) 家賃以外の差(月) 合計の差(月) 合計の差(年)
単身(1R・1K) 25㎡ 10万円 −27,962円 −2,629円 −30,591円 −367,092円
単身〜2人(1LDK) 40㎡ 15万円 −44,739円 −3,944円 −48,683円 −584,196円
家族(2LDK) 55㎡ 20万円 −61,517円 −5,258円 −66,775円 −801,300円
家族(2LDK) 55㎡ 25万円 −61,517円 −6,573円 −68,089円 −817,068円

計算方法:家賃=民営家賃(3.3㎡あたり)×広さ÷3.3。家賃以外=東京での生活費×100.0÷102.7(消費者物価地域差指数の比)。

単身で月約3万円、家族で月6万〜7万円ほどの差です。どの組み合わせでも差の9割前後が家賃なので、生活費を下げたいならまず住まいの広さと家賃を決めるのが近道です。

転勤で会社から住宅手当や社宅が出る場合は、家賃の差がそのまま手元に残るとは限りません。自分で負担する家賃に置き換えて計算してください。

1人用・2人用・家族用の間取りと家賃の差
広い部屋ほど、家賃の差は大きくなる

家賃以外の物価差は約3%。食費で大きく浮くとは考えにくい

「大阪は食べ物が安い」という声もありますが、統計で見ると家賃を除いた物価の差は約3%です。食料だけの指数でも東京23区103.6、大阪市100.4で、差は同じく3%ほどです。

家賃以外に月15万円使っている人なら、差は月4,000円弱です。外食の頻度や買い物をする店のほうが、住む都市よりも影響が大きいでしょう。「大阪に行けば全体が3割安くなる」わけではなく、下がるのは主に家賃と考えておくと、予算の読み違いを防げます。

私自身、20年以上前に福岡市から東京へ移り、杉並区と豊島区に住んでいました。そのときは、福岡に比べて生活費が1.5倍以上かかるという印象でした。かなり昔の話で、統計にもとづく数字ではありません。ちなみに今の統計で東京23区と福岡市を比べると、40㎡・生活費15万円の条件では東京23区が約1.3倍、家賃だけなら約2倍です。当時の「高い」という実感も、振り返るとほとんどは家賃から来ていたのだと思います。なお、私は大阪に住んだことがないので、大阪については統計の数字だけでお伝えしています。

大阪市は転入超過率で東京23区を上回っている

生活費とは別に、人の動きも見ておきます。総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、直近12か月(2026年7月まで)の転入超過数は東京23区が+25,426人、大阪市が+8,360人です。

転入超過数は「転入者数−転出者数」です。この統計の転入者は日本国内で住所を移した人で、同じ市区町村の中での引っ越しは含みません。出生・死亡による増減も含まない、引っ越しによる人の出入りだけの数字です。

人数は東京23区が多いものの、人口1,000人あたりの転入超過率にすると東京23区2.61‰、大阪市3.04‰で、人口の割に人が集まっているのは大阪市です。家賃を抑えながら、人が流入している街に住めるという見方もできます。

川沿いの街に人が集まってくるイメージ
人口あたりの転入超過率は、大阪市が東京23区を上回る

自分の条件で東京と大阪の生活費を計算するには

ここまでの試算は、広さと生活費を仮に置いたものです。実際の差は、住む広さと今の生活費で変わります。まちくらべでは、広さ(25㎡〜85㎡や自由入力)と家賃以外の生活費を入れるだけで、同じ方法で月額の差を計算できます。

大阪以外も候補にしているなら、ほかの都市とも比べてみてください。

まとめ

  • 東京23区から大阪市へ移ると、40㎡・生活費15万円の条件で月約4.9万円、年約58万円下がる試算
  • 差の約9割は家賃。大阪市の民営家賃は東京23区の約63%
  • 家賃以外の物価差は約3%にとどまり、食費で大きく浮くわけではない
  • 単身(25㎡)で月約3万円、家族(55㎡)で月6万〜7万円ほどの差
  • 転入超過率は大阪市3.04‰、東京23区2.61‰で、大阪市のほうが高い

出典

ほかの記事

記事一覧を見る →