東京から名古屋に引っ越すと生活費はいくら変わる?公的統計で試算【2026年】

東京の高層ビル街から名古屋の広い通りへ引っ越すイメージ

※数値は2026年10月5日時点で取得した総務省の公的統計にもとづく試算です。

名古屋への転勤が決まった、家族で東海地方へ移ることを考えている。そんなとき知りたいのは、東京から名古屋に引っ越すと、毎月の生活費がいくら変わるのかです。

ところが「名古屋 生活費」で調べると、名古屋で一人暮らしをしたときのモデル家計か、「北陸・東海」のような地方単位の古い統計が中心です。東京と比べた数字があっても、係数の出典や時点が書かれていないことが多く、判断の材料にしにくいのが実情です。

この記事では、総務省の小売物価統計調査(2026年8月の民営家賃)と消費者物価地域差指数(2025年)を使い、東京23区と名古屋市(市の値)の生活費の差を試算します。単身の転勤にも家族での移住にも使えるよう、間取り別の早見表も用意しました。

東京から名古屋へ引っ越すと生活費は月いくら下がる?結論は40㎡で約6.4万円

1LDK相当(40㎡)の部屋に住み、家賃以外の生活費が月15万円の人が東京23区から名古屋市へ移る場合、試算では月64,412円、年772,944円生活費が下がります。

内訳は、家賃の差が月58,570円、家賃以外の差が月5,842円です。差のおよそ91%は家賃で、食費や日用品などの物価の差は1割に満たない計算です。

名古屋と東京の生活費の差は9割が家賃(家賃・物価の比較表)

元になる統計を並べます。家賃は「3.3㎡(1坪)あたりの月額」で、広さを掛けて部屋ごとの家賃を試算しています。

項目 東京23区 名古屋市 差(名古屋−東京)
民営家賃(3.3㎡あたり・月、2026年8月) 10,048円 5,216円 −4,832円
民営家賃の前年同月比 +291円(+3.0%) +31円(+0.6%) ―
消費者物価地域差指数(家賃を除く総合、2025年) 102.7 98.7 −4.0
消費者物価地域差指数(食料、2025年) 103.6 98.0 −5.6

名古屋市の民営家賃は東京23区の約52%で、ほぼ半分です。同じ方法で試算した大阪市は約63%だったので、家賃の下がり幅は大阪より名古屋のほうが大きいことになります。40㎡・生活費15万円の条件でも、大阪市は月48,683円、名古屋市は月64,412円の差です(東京から大阪の試算はこちら)。

この1年の家賃の動きも対照的です。東京23区は前年同月より3.0%上がったのに対し、名古屋市は0.6%でした。東京の家賃の上昇が続いているため、差はこの1年で広がっています。

なお、この民営家賃は統計調査の対象になった民営借家の家賃で、築年数や駅からの距離がさまざまな物件の値です。名古屋駅周辺の新しい物件の募集家賃などとは差があるので、相場の比率をつかむための目安として使ってください。

東京23区と名古屋市の家賃と物価の違い
名古屋市の家賃は東京23区のほぼ半分。家賃以外の物価の差は小さい

間取り別の早見表:単身の転勤と家族での移住で差はいくら?

単身の転勤なら1K、家族なら2LDKというように、広さによって差は大きく変わります。家賃以外の生活費も世帯の人数で違うため、組み合わせを変えて試算しました。

想定 広さ 家賃以外の生活費(東京での月額) 家賃の差(月) 家賃以外の差(月) 合計の差(月) 合計の差(年)
単身(1R・1K) 25㎡ 10万円 −36,606円 −3,895円 −40,501円 −486,012円
単身〜2人(1LDK) 40㎡ 15万円 −58,570円 −5,842円 −64,412円 −772,944円
家族(2LDK) 55㎡ 20万円 −80,533円 −7,790円 −88,323円 −1,059,876円
家族(2LDK) 55㎡ 25万円 −80,533円 −9,737円 −90,270円 −1,083,240円

計算方法:家賃=民営家賃(3.3㎡あたり)×広さ÷3.3。家賃以外=東京での生活費×98.7÷102.7(消費者物価地域差指数の比)。

単身で月約4万円、家族で月約9万円の差です。家族の2行を比べると、家賃以外の生活費を5万円増やしても差は約2,000円しか変わりません。差を左右するのは広さ(家賃)です。

転勤で会社から住宅手当や社宅が出る場合は、家賃の差がそのまま手元に残るとは限りません。自分で負担する家賃に置き換えて計算してください。また、名古屋で車を持つ場合の駐車場代・保険料などはこの試算に含まれていません。

間取り別の生活費の差と、試算に含まない車の費用
部屋が広いほど家賃の差は大きくなる。車の費用は試算に含めていない

名古屋の物価は東京より約4%安い。食料は約5%

家賃を除いた物価は、全国平均を100とした指数で東京23区102.7、名古屋市98.7です。名古屋市は東京23区の約96%で、家賃以外の物価差は約4%です。食料だけの指数では103.6と98.0で、差は約5%でした。

大阪市(家賃以外の差は約3%)よりは少し大きいものの、家賃以外に月15万円使っている人で月6,000円弱の差です。「名古屋に行けば全体が半分になる」わけではなく、半分近くになるのは家賃だと考えておくと、予算の読み違いを防げます。

私は一時期、名古屋に月1回ほど行っていました。今は数年に1回程度で、住んだことはありません。訪れるだけなら家賃は払わないので、住んだときに一番効く家賃の差は、訪れた経験からは分かりません。この記事では、その部分を統計の数字で示しています。

名古屋市と東京23区の転入超過率はほぼ同じ(2026年8月まで)

生活費とは別に、人の動きも見ておきます。総務省の住民基本台帳人口移動報告をもとにまちくらべで集計した値では、直近12か月(2026年8月まで)の転入超過数は東京23区が+24,534人、名古屋市が+6,101人です。

転入超過数は「転入者数−転出者数」で、出生・死亡による増減は含まない、引っ越しによる人の出入りだけの数字です。人口1,000人あたりの転入超過率にすると東京23区2.52‰、名古屋市2.62‰で、名古屋市が0.10ポイント高いだけの、ほぼ同じ水準です。月ごとの更新で順位が入れ替わる程度の差なので、どちらが人気とまでは言えません。

名古屋市は月によって転出が上回ることもあり、例えば2025年10月は−255人でした。一方で3月は大きく増え、2026年3月は+2,663人です。春の異動・進学の時期に人が集まる傾向がはっきり出ています。

名古屋の街の中心に人が集まってくるイメージ
人口あたりの転入超過率は、名古屋市と東京23区でほぼ同じ水準(まちくらべの集計)

自分の条件で東京と名古屋の生活費を計算するには

ここまでの試算は、広さと生活費を仮に置いたものです。まちくらべでは、広さ(25㎡〜85㎡や自由入力)と家賃以外の生活費を入れるだけで、同じ方法で月額の差を計算できます。

大阪も候補にしているなら、同じ方法で試算した記事と比較ページもあわせて見てください。

まとめ

  • 東京23区から名古屋市へ移ると、40㎡・生活費15万円の条件で月約6.4万円、年約77万円下がる試算
  • 差の約9割は家賃。名古屋市の民営家賃は東京23区の約52%で、大阪市(約63%)より下がり幅が大きい
  • 東京の家賃は前年比+3.0%、名古屋は+0.6%で、差は広がっている
  • 家賃以外の物価差は約4%(食料は約5%)にとどまる
  • 転入超過率は名古屋市2.62‰、東京23区2.52‰でほぼ同じ

出典

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